ぜんぶ梅雨のせいだ。
ぜんぶ梅雨のせいだ。
貸切状態の店内。
膨大な量の野菜と麺を前に大汗は止まらない。
最初に違和感を覚えたのは、店員さんがスープを注ぐ音だった。
やたら注ぎ足すなあ。
そう思い厨房に見をやると、「特大」と目が合った。
数分前、無愛想な店員さんに吐き捨てるように僕は答えた。
食べれますっ。
こちらが「特大」を注文したところ、
結構多いっすよ〜(半笑笑)
と言われたので、なんだかムカついて答えてしまったのだ。(終始不機嫌そうだったし)
取り乱した胃袋を落ち着かせようと、一杯の水を口に含む。
絶対に残せない闘いが始まった。
序盤、動揺を隠すように、野菜をとにかく掻き込む。
生卵は2個まで無料らしいので、早々に投入。
中盤、変化の見えない圧倒的な麺の量。
ノコス!タベル!ノコス!タベル!
寄せては返す自分の弱さに、胃袋を蝕まれそうになる。
終盤、辛すぎるスープと麺だけが残り、生卵使うタイミングを間違えていたことを察する。
気を紛らわせるために、胡麻を振りかけてみたりする。
止まらない大汗が冷や汗であることを僕は知っている。
意地を張って注文したのは僕。
今さら店員さんには謝れない。
なんとか完食。
雨降る土曜日の昼下がり。
ぜんぶ梅雨のせいだ。
完食出来て本当に良かった。
アディオス。
追伸
店員さんの忠告は聞きましょう。