ドーハとドイツと時々トイレの話
圧倒的な前半だった。
2022年11月23日夜。
日本は、ドイツに絶対的な実力差を見せつけられたままハーフタイムを迎える。
手も足も出ない前半に溜まる不安と尿意。
失意のまま、俺はトイレの便器の前に立つ。
用を足す刹那、ディフェンスラインに緊張が走る。
前線(便器)を狙ったパス(尿)は、無情にも右のタッチライン(壁)へ飛んで行くのだ。
混乱。混乱。混乱。
でも、ディフェンスは焦ったら負け。
最短で最適な解決策を模索する。
一度引張るか。
そのまま押さえ込むか。
そのどちらも出来ぬまま、俺は身体を45度傾ける。
事が終わるのと同時に、俺はその場に崩れおちた。(そして、床と壁を必死に拭いた)
原因はアップ不足。
世界のトップレベルでは、少しの油断が敗北に繋がる。
虚しさと切なさと少しの恥ずかしさを持って臨んだ後半。
ドーハの街に奇跡が起きた。
ナイスゲーム。
追伸
妻よ。ごめん。